おいしいぶどうができるまで
ぶどう園のぶどうは、樹が芽をふいてから約110日~150日間、心をこめて育て上げていきます。その間日照りの時や風雨の強い日もありますが、ぶどうはこの試練を乗り越えてたくましく育ちます。それでは、ぶどうの一年をみてみましょう。
1. 施肥・土壌改良
おいしいぶどうを作るためには、根と葉が元気でなければなりません。
冬にそのエネルギー源の肥料を施します。土を掘り返し、根が良く伸びる環境作りをします。
2. 剪定・整枝(1月)

冬の落葉のあと、今年伸びた枝を切ります。果実のなった枝を2芽残して切ります。
3. 芽かき
発芽後、多すぎる新しい枝(新梢)を間引きします。
新梢を全部残すと立派なぶどうが収穫できません。1000m2あたり5000本程度の枝数にします。
4. 新梢誘引

ぶどうの葉は大きいので、風を受けて枝が折れたり枝同士が巻きついたりします。
そこで枝を一本ずつ針金などに固定します。
5. 摘房(てきぼう)

芽かき後の枝には、通常2~3個の果房が着果します。
「ベリーA」では、一枝に必ず一果房(5000房/1000m2)にします。「デラウェア」では枝の勢いにより2ないし3果房(10000房/1000m2)にします。
6. ジベレリン処理

「ベリーA」も「デラウェア」も、本来は種があります。
種をなくすために、花が咲く前と咲いた後に1回ずつジベレリン(植物にもともと含まれているホルモン)処理をします。
天候や樹の調子によって適期に処理しても、完全に種子がなくならない年もあり、大変難しい作業です。
7. 整房
房の中央部3分の1くらいを残し、約400~500gの房を作ります。
8. 適粒

ジベレリン処理で果粒も大きくなリます。
着き過ぎた果粒を間引きします。ベリーAでは約1果房に60~80粒にします。
肩がコリ、目が疲れ、手間のかかる作業です。
9. 袋掛け(7月上旬)

農薬散布を少なくするためと果粒面が美しく仕上がるよう、7月上旬に1房ずつ袋を掛けます。
10. 摘心・副梢整理
枝の伸びを抑え、ぶどうに太陽の光がよく当たるようにし、着色を良くします。
11. 収穫摘心・副梢整理

収穫が近づくにつれて糖分が増加し、酸が減ってきます。当園では、甘さとすっぱさが適当に中和した頃を見計らって開園しています。
1房の中では房尻よりも肩の部分の方が甘いです。
糖分は17%ほど含まれていますが、カロリーは、ご飯の3分の1、ショートケーキの6分の1です。